「私は死ななくてラッキーだった」
“I was lucky I didn’t die.”
2004年に、第42代アメリカ合衆国大統領であるビル・クリントン氏が、重症狭心症に対して冠動脈バイパス手術を受けたというニュースは、アメリカ医学会に非常に大きな衝撃を持って伝えられました。
ここで重要なのは、彼は1993年-2001年まで8年間大統領として激務をこなし、その間、大統領として必要な毎年のメディカルチェック(いわゆる日本での健康診断)を受けていたにもかかわらず、任期終了わずか3年後の58歳という若さで、重症狭心症に対して冠動脈バイパス手術が必要になったという事実です。
彼の心臓の状態は、既にバイパス手術以外に選択肢のない状態でした。この事実を受けて、2005年には米国の有名雑誌であるタイムマガジンが、心臓画像診断の特集を組んだほどです。
米国CNNのインタビューにて、当時を振り返って彼はこのように言っています。
「私は死ななくてラッキーだった。」
(I was lucky I didn’t die.)
このことは、いかに心臓疾患の早期発見が難しいかを物語っていると思われます。アメリカ大統領が受けるような健康診断でさえも、早期発見するには不十分な場合があるということです。心臓疾患の中には、心臓MRIや心臓CTを用いた高度な画像診断でのみ早期発見可能な疾患が存在することも事実です。生活習慣改善、薬物療法を始めとした治療法を出来るだけ早期に開始することで、将来の心血管イベントが抑制できることが実証されています。画像診断の目的は症状のある病気を発見することから、症状のない段階での病気の徴候を見つけることに変化しつつあります。
「病気を見つけるための検査から予防するための検査へ」
CVICでの心臓ドックはこのような検査を目指しています。